広島の歯科技工所 「株式会社アート・デンタル」

純チタンクラウン

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2020/10/19 純チタン鋳造冠の自社製作を開始

* 貴医院名入りポスターをご希望の先生方はお知らせください。
* 2020/6/1から純チタン全部鋳造冠(上下大臼歯クラウン)が保険適用となりました。

  適用部位は上下大臼歯(6.7.8番)単冠のみ。特別な適用条件はありません。
  詳しくは、お問い合わせ下さい。TEL082-507-7011 担当 向江、中

チタンの硬さ

チタンの性質について

 チタンクラウンの材料である「純チタン2種」は、歯科用金銀パラジウム合金と同等あるいはやや低い程度の硬さです。(下図:ビッカース硬度) 咬合に対するたわみや引っ張り強さも金パラとほぼ同等なので、口腔内へ装着後に破折やひび割れ等が起こる可能性は低いと思われます。

 歯質及び、材料  引っ張り強さ (MPa)  ビッカース硬度 (HV)  伸び率(%)
 エナメル質  10~35  270~400  -
 純チタン 2種  340~510  110~160  約23%
 金パラ合金  400  190~219  約10%

【補足】ビッカース硬さ(HV)の比較

金銀パラジウム合金     約200
純チタン2種       約160

※チタンは硬いという印象がありますが、純チタン2種は金パラと同等度の硬度です。
研磨に関しては何よりも低速での研磨が重要です。

 

チタンと金パラの比較及び、利点欠点 

メリット

比重が軽い  純チタン2種 / 4.5  金銀パラジウム合金 / 11.5

チタンは比重が小さく、金パラに比べ口腔内へ装着時に違和感が少ない金属といえます。

金属アレルギー発症のリスクが低い

チタンは金属アレルギーの発症率が低くパラジウムやコバルトよりも金属アレルゲンになりにくい金属です。

腐食や劣化が少ない

チタンは時間経過によって口腔内で黒色に変色したり腐食したりする事が少ないです。熱や摩擦などにより青黒く変色することがありますが、これは薄い酸化被膜で研磨で容易に落とせます。

デメリット

チタンはやや研磨しにくい

マイクロモーターの速度を低速でポイントを押さえつけるように研磨すれば比較的簡単に研磨できます。

回転速度 9000~11000回転以下

 

チタンの研磨

口腔内へ装着前の研磨とセメント

重要項目;チタンクラウンの削合は金銀パラジウムのときよりも低速回転で行ってください。

純チタンは金銀パラジウム合金と比べて、加わった「力」に対して良く伸びます。そのため切削するときに独特の「粘り気」を感じます。チタンクラウンの装着前の調整には下記の手順をお勧めします。※研磨材は一例です。

 ① 削合調整  ② 粗研磨  ③ 艶出し  ④ 接着
 カーバイトバー
   カーボランダム
 シリコンホイール
   ビックポイント
 研磨剤と
   ソフトブラシ
 金パラの接着と同じ

①削合研磨

カーバイトバーなど金属製のバーで削合を推奨します。少しの場合はカーボランダム等で切削して下さい。

推奨材料:山八技工用カーバイトバー ファイン 【山八歯材】 

②研磨・中仕上げ

   シリコンホイールなどで少し押さえるように研磨してください。

推奨材料:一押し材料 シリコンホイール  Pタイプ(PA)  【松風】

   又は、安価な材料 アートポリッシャー ハード/ソフト 【山八歯材】

③最終研磨・つや出し

ソフトブラシに研磨剤を付けて研磨して下さい。金パラよりやや黒っぽい仕上がりになります。

推奨材料:ロビンソンブラシNo.11ソフト【バッファロー】  に研磨剤を付けて最終研磨 
一押し材料ダイヤ粉末入りの ジルコポル(ペントロン)又は、グリーンルージュ【上村工業】

口腔内での研磨に関する注意点

口腔内に装着した後の調整は、必ず注水下で行なって下さい。切削時にバーの回転数が高いほど、チタンが伸びてバーの「溝」に入り込み空転の原因になります。バーが空転すると火花が発生しやすくなるので、金パラよりも低い回転数での削合をお願い致します。

チタンの接着

チタンクラウンの口腔内への接着は、金銀パラジウム合金のクラウンと同様の方法で接着可能です。金属冠用のプライマーと接着性レジンセメントでの合着をお勧めします。光重合による硬化促進はできませんので、化学重合によって硬化するレジンセメントをご使用ください。

保険点数の比較 (金パラCrとチタンCr)

保険点数比較
患者様負担も僅かに高くなる程度で、生体親和性も高く歯周にも優しい全部鋳造冠です。
また、金パラの価格に左右されず大きく重量のある鋳造冠でも心配なく製作できます。

2020/7/1 現在

 部位(大臼歯)  全部鋳造冠
   金パラ
 全部鋳造冠
   純チタン
 失活歯 歯冠形成  166点  166点
 印象採得  64点  64点
 咬合採得  18点  18点
 補綴物製作点数  454点  1200点
 材料(参考値)  674点  66点
 装着料  45点  45点
 装着材料  17点  17点
 維持管理料  100点  100点
         合計点数  \ 1,538点  \ 1,676点

 

補足.その他チタンについてよくあるご質問

Q. チタンのロー着は可能か?

A. チタンのロー着はできません。ただし、レーザー溶接による簡単な修正は可能です。(コンタクト、セントリック等少しの修正)

 

Q. 8番(親知らず・智歯)の製作は可能か?

A. 可能です。チタンクラウン補綴の保険適用範囲内に含まれます。

 

Q. 連冠の製作は可能か?

A. 技術的には可能ですが、保険診療の適用外の技工となります。連結冠にした場合の連結部の強度や適合精度は未検証です。

 

Q. 再製時に金属の再利用は可能か?

A. 不可能です。純チタンは一度鋳造すると物性が変化します。そのためチタン鋳造用の機械は元の材料(インゴット)からしか鋳造できない構造になっています。

 

Q. チタンクラウンの導入について必要な機材はあるか?

A. 医院様にご用意いただく機材はありません。装着前の研磨に必要な研磨剤をご用意いただければと思います。弊社でもおすすめの研磨剤をご用意できます。

 

Q. 口腔内の3Dデータ(STLデータ)を送ってチタンクラウンの製作依頼することは可能か?

A. 可能です。但し指示書をご記入いただいた後、事前に弊社にお送りくださいますようお願い申し上げます。